最近、お子さんの食物アレルギーのお話を伺う機会がいくつかありましたので、今日は乳幼児の食物アレルギーに関してのお話を少し書こうと思います。
食物アレルギーというのは、特定の食べ物により、じんましん、下痢、嘔吐などのアレルギー反応を起こす病気のことです。3歳くらいまでは消化機能が未熟で、食べ物が十分に消化されずに消化不足の食べ物を異物とみなすことでアレルギーが起こりやすいといわれています。
また、その症状があらわれるまでの時間の長さにより「即時型」と「非即時型」というものに分けられます。
アレルゲンを摂取して数分から2時間以内に症状があらわれるものを「即時型」。
2時間以上、場合によっては1~2日後に症状が出る「非即時型」。
乳幼児期、学童期に発症する食物アレルギーに多いのは前者の「即時型」で、5~20分の間にあらわれることが多く、症状は軽い場合もありますが全身じんましんや喘息症状など重症になる場合もあります。
即時型のアレルギー症状が皮膚症状にとどまらず、呼吸器や消化器などの複数の臓器に急激にあらわれることを「アナフィラキシー」といい、血圧低下や意識障害を伴う症状に「アナフィラキシーショック」というものがあります。このような状態は生命の危険を伴う場合があるため、呼吸困難やめまいの症状があればすぐに救急車を呼びましょう。
近年のデータによると、0歳児で最も多いアレルギーの原因食物は鶏卵で、実に60%以上を占めます。次いで乳製品(20%)、小麦(7%)となります。この順位は3歳ころまで変わりませんが、乳幼児期に発症した食物アレルギーの場合、多くは成長とともに耐性を獲得することができます。
これらの食物について、3歳までに約50%、小学校入学までに80~90%のお子さんが耐性を獲得し食物除去が解除され食べられるようになるといわれています。
離乳食が始まったら、簡単で良いので食事記録をつけて(特に初めて食べる食材は意識して)何を食べたのか、皮膚の様子に変化はないか、うんちの状態や日常生活の様子はどうだったかをわかるようにしておくと安心です。
そして、アレルギーかな?と思っても自己判断により特定の食物を除去することはやめましょう。あかちゃんに必要な栄養が十分にとれなくなる恐れがあります。食物アレルギーは、あくまで正しい判断に基づいた必要最小限の原因食物の除去が原則です。主治医の判断のもと、原因物質が特定できたら指示に従って食物除去をすすめていきましょう。
また、離乳食をすすめる中で、アレルギーを必要以上に心配して自己判断で特定の食材の摂取を遅らせたり除去するようなことも避けましょう。月齢にあった食材を、月齢にあった調理法で食べさせてあげてくださいね。乳幼児期は成長が著しい大切な時期ということを忘れずに、楽しい離乳食生活を送ってほしいと思います!
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