2017年11月15日水曜日

あかちゃんのおくち。

わりと暖かい日の多い11月。しかし今週末からぐっと冷え込むみたいですね。どうぞみなさま、体調にはくれぐれもお気を付け下さい。

さて前回は乳幼児の味覚の発達についてお話をしましたが、今日もその続きで乳幼児の「噛むこと」について少しお話をしていきたいと思っています。

子どもが「食べない」理由はいろいろありますが、味の好き嫌いというのは3歳くらいからだと言われています。

これは、食体験の情報が脳に記憶として刻みつけられることにより食べ物の好みが決まるからだそうで、1~2歳の子どもが言う好きとか嫌いといった理由は、食べ物の固さや口当たりなどの反射的な反応ということです。

離乳食が始まって、食べ物を口にするようになると、段階としてはまず、食べ物を口にいれて飲み込むということを覚え、それから押しつぶし、すりつぶし、だんだんと上手に食べられるようになってきます。その後、1歳から1歳半くらいになると、自分で手づかみで食べられるようになっていくわけです。

そして、この時期の発達の著しさというのは、口腔内の発達の著しさと言えるのです。

歯のないあかちゃんのお口…そして小さな小さな歯が生えてくるかわいいお口…個人的にはたまらなく好きなこの時期のあかちゃん。一生のうち、まあ、もしかしたら歯が全部なくなることがあるかもしれませんが…生まれてから数カ月の間だけの、あの歯のないお口。ザ・あかちゃん!!歯のないお口で笑ったときなんてもう、たまりません。

と、そんなかわいいお口の中ですが、特に、離乳食から固形食に変わってゆく時期には頻繁にみてあげましょう。歯の生える時期には個人差が大きいものです。○ヶ月になったからこんな食べ物を与える、のではなく、この歯が生えて噛めるようになったからこんな食べ物を与える、という進め方をしてきましょう。

噛めないのに、固い食べ物がどんどん口の中に入っていくと、噛まずに飲み込むくせがついてしまいます。逆に、噛めるのに柔らかいものばかり与え続けると噛む気がなくなってしまうので、そちらも気をつけたいものです。

小さいけれど大切な歯。あかちゃんの成長に合わせて、その時期に適したものを食べさせてあげたいですね^^

2017年11月5日日曜日

乳幼児期の味覚。

いよいよ11月に入り、世間は一気にクリスマスムード。大掃除やら年賀状やら、年末年始の足音も少しずつ聞こえてきましたね。

今日は、小さい子供の味覚のお話を少し。

と、その前に。

大人の嗜好が人それぞれというのはみなさんよくご理解していると思います。酸っぱいのが好きな人がいれば、嫌いな人もいる。辛い、苦いを好む人。味が濃いとか薄いとか、食感もいろいろあって、千差万別。

それなのに、子供の食事となると、あれも食べない、これも食べない…と尽きない悩み^^;

離乳食が始まり、我が子が食べ物を口にするようになるとたぶん、ほとんど誰もが経験する悩みではないでしょうか。もちろん、私もありました。ここにも書いたことがあるのですが、離乳食のレシピブックをみて「あかちゃんに大人気」とかそんなフレーズに乗せられて作ったおかずを全く食べない我が子。一生懸命目先の変わったものを食べさせてみようと思って作ったものに限って、食べない…。

今になって分かったのは、お母さんの必死な姿というのは、あかちゃんの食卓に一番邪魔なものだったんだということです(笑)。

ついつい自分が頑張って作ると、どうにかして食べてほしい!そんな気持ちが先走ってしまい食べさせることだけに目が行ってしまい、食べる側の気持ちなど考えていなった…。

とまあ、客観的に見られるのは今だからであって、その時にそんなこと考えている余裕などありませんでしたので、一生懸命がんばる姿は、それはそれで素晴らしいものだと思っています。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、小児期の嗜好の発達にはざっくりとこんな段階があります。

○1~2歳
基本的な味覚能力の影響。まだ摂食機能が未熟なときなので、噛んで食べにくいものは好んで食べません(ペラペラした生野菜とか、口の中でまとまらないブロッコリーとか、唾液を吸うものなどなど)。

匂いの強いニラとかシイタケ、苦味のあるピーマンなどをこの時期すんなりと受け入れる子のほうが珍しいということです。調理法などを工夫して食べさせてみるのは良いことですが、あまりにひとつの食材にこだわり、それを一生懸命食べさせようとするよりも、食べられる食材を上手に利用して、変化をつけながら少しずつ種類を増やしていけたらいいと思います。

○3~5歳
学習による発達展開期。脳の発達により、好奇心や競争心が生まれる。また積極性や消極性などの性格にもよる受け入れ態勢の変化。口腔も発達して大人の真似をしたり、友達が食べているからといった理由でいろいろなものに挑戦できる年齢です。

このころになると、「食事の場面」がとても重要になっています。安心できる環境のもとで、大人が作った食べ物を、大人と一緒に味わいながら楽しく食べる。甘いね、固いねなどと声掛けをしながら味わうことで味覚や食感が発達します。

少し長くなってしまったので、また次回このお話の続きをしたいと思います。読んでくださってありがとうございました。