2017年4月12日水曜日

こんな食中毒もあります。

桜が満開のころの冷え込み…。何を着ればいいのか悩ましい今日この頃です。

そうは言ってももう4月も半ばに差し掛かり、食中毒の話題が耳に入ってきたので今日はそんなお話を。

中でも今回取り上げるのは「ウェルシュ菌」という細菌性食中毒についてです。

どんなもので食中毒になるのかというと、代表的なものがカレーやシチューなどの煮込み料理です。

肉や魚など自然界に多いウェルシュ菌。これが体内に大量に取り込まれると食中毒となる場合があります。大きな特徴は「耐熱芽胞菌」ということ。耐熱、ということで熱に強い。なので、煮込み料理などで多く見られるというわけです。芽胞というのは殻のような状態を言います。一度できると通常の加熱では死滅しません。

カレーなどを作るときを想像してみてください。お鍋にカレーが出来上がり、混ぜながらぐつぐつ煮ますね。そのとき、空気に触れない鍋の真ん中や底のほうが、ウェルシュ菌の格好のすみかとなります。

火を止めてからも高い温度で酸素のない状態で保ち続けられる内部で、ウェルシュ菌は生き延びで、口に入ることになります。

どんな状態が危ないかというと、いわゆる「前日調理の常温放置」です。それも、家庭よりも給食施設などでの大量調理の場合。鍋が大きい分、空気に触れる面積が少なくなってしまうためです(あまり、平たい鍋でカレーやシチューは作りません、寸胴鍋のような深めのものが多いので)。

過去のデータを見てみると、ウェルシュ菌の食中毒は件数に対して患者数がとても多いです。仕出し屋や飲食店での発生が目立ちます。

ご家庭ではカレーやシチューを作ってそのまま置いておく、というのは当たり前のように行われていると思います。それで必ず食中毒が起きていたら、日本中毎日食中毒になってしまいますが(笑)。備えあれば憂いなしということで予防方法としては、調理中はよくかき混ぜ、なべ底にも空気を送ること。できれば調理後は早めに食べきる。保存する場合は、小分けにしたり、できるだけ速やかに粗熱を取って冷蔵庫で保存すること!たとえば、厚みのない容器などに移し替え、保冷剤などのうえで混ぜたりするとより速く冷めます。


なんとなく、食中毒というと、加熱が不十分だったり、生のもので起こりやすいというイメージがあります。もちろん、そのような食中毒もたくさんあります。しかし、調理済みの食品でも食中毒はあるのだということを頭の片隅に入れておいていただけたらと思い、こんなお話をさせていただきました。

安全でおいしい食事を、毎日楽しみましょう!

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