2019年6月19日水曜日

野菜摂取量の現実。

今日は少し趣向を変えまして、日本人の食生活の現状についての調査結果をふまえたお話をしようと思います。

我が国では、毎年「国民健康・栄養調査」というものが行われています。昭和20年に実施された栄養調査を前進とし、約70年にわたり全国的な栄養調査を欠かさず実施している国は世界にも類例がありません。社会情勢の変化などに合わせ調査方法の見直しを図り現在に至ります。

平成28年の調査の結果概要を見ますと、近年問題になっている65歳以上の高齢者の低栄養傾向(BMI≦20)も注目すべき部分かと思います。ここ10年で男性では有意な増減はありませんが、女性では有意に増加しています。特に85歳以上でその割合は男女ともぐっと高くなります。これから暑くなって、ただでさえ食欲が落ちる季節になるので、少量でも、たんぱく質不足に気を付けた質の良い食事を心がけていただきたいと思います。

さて、食事で気を付けることや心配なことと言うと、真っ先に思い浮かぶのが「野菜不足」という方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省が定めた「健康日本21」では、野菜は1日350gを目標に掲げています。この数字はご存知の方も多いのではないかと思うのですが…。

では実際はというと…

【野菜摂取量の平均値の都道府県の状況】
●1位は、男女(20歳以上)とも長野県。その摂取量は…
 男性352g
 女性335g

1位の県、しかも男性だけが唯一ぎりぎり目標量をクリアしています。男性2位は福島県の347g。この数字を見ても、目標には遠い現状が見てとれると思います。野菜摂取はなかなか難しい課題のようですね。

ちなみに、神奈川県では男女に大きな差があります。
●神奈川県 
 女性→4位!(平均摂取量304g)
 男性→ワースト3位…(平均摂取量264g)

となっていました。

野菜には、ごはんやパンなどの炭水化物・肉や魚のたんぱく質には少ないビタミンやミネラルが豊富に含まれていて、これらと一緒に摂ることで、体の中で実にさまざまな働きをしてくれます。糖質のエネルギー代謝に関与するビタミンB1や、骨の形成に不可欠なカルシウム、免疫昨日に関与するビタミンAなどなど。

忙しい毎日で、たくさんの野菜を摂取することが難しいとは思いますが、時間のあるとき、可能な範囲で少しだけ意識をして摂り入れる工夫をしてみてほしいなと思います。

何をするにも元気があってこそ。自分の体は自分が一番よくわかると思います。体力の消耗が激しくなるこれからの時期、体の内側から労わってあげてください。
      

2019年6月4日火曜日

トマトの季節。離乳食にも!

今週末あたりで、関東地方も梅雨入りかもしれないとのことで…湿度の高いじめっとした暑さを感じ始める季節となりました。朝晩はわりとひんやりとしているこの時期は、体調管理がとても難しいと思います。できるだけ疲れをためずに、無理をせずに過ごしていただきたいと思います。

さて、6月に入ると一気に食卓も春から夏モードになる感じがしませんか?

なすやピーマン、きゅうりなどは一年中スーパーに並んでいますが、枝豆やトウモロコシ、国産のオクラなど夏ならではのラインナップもお目見えしてくる頃です。

中でも夏の太陽が一番似合うのは、真っ赤なトマトではないでしょうか。見るからに元気になれそうな色。ぴかぴかに光ったトマトは、ビタミンCやAを含み、また血圧を下げる作用のあるカリウムも含まれます。近年は赤い色の「リコピン」という抗酸化作用のある成分も注目されているようです。

そんな旬の野菜はもちろん、赤ちゃんやお子さんの食事にももってこい。特に離乳食では素材の味が調味料なので、旬の野菜を使うことは実はとても重要と言えます。甘味や水分や栄養価まで変わってくるので、できるだけその季節にとれるおいしいものを与えることが望ましいです。旬のものはおいしくて、安価で、栄養もある。使わない手はありません!

離乳食でトマトを使うときは、湯向きをして裏ごしをすれば初期から使えます。少し慣れてきたら、すりつぶしや角切りにして、次第に大きさを大きくしていきます。

トマトは湯向きでつるんと皮がむけますが、同様に冷凍しても気持ちよく皮がむけます。種を除いてから6~8等分にして冷凍して、使う時に皮をむきます。冷凍したトマトは、加熱して使うようにしてくださいね。



向かって右上の黄色い器が、湯向きしたトマトを裏ごししたものです。

その下が、小さな角切りになめらかにした絹ごし豆腐をのせたもの。

左上が、中期ごろから使える、トマトそうめんです。裏ごしトマトに、柔らかく煮て細かく切ったそうめんを加えて和え、湯通しして刻んだしらすをのせました。一品で主食・主菜・副菜と3つの栄養が揃うお手軽メニューです。裏ごししたトマトは製氷皿などに入れて冷凍しておくととても便利です。トマトがたくさん手に入ったときには、ぜひ作り置きをおすすめします。そうめんをおかゆにしても、うどんにしても、パスタにしてもいいですし、白身魚などと和えるのもパサパサ感が軽減されるのでおすすめです。

刻んだだけ、裏ごししただけのトマトをママやパパもぜひ味見してみてださい。トマトは比較的味付けをしないで食べることが多い野菜なので、全く違和感はないのですが、よく味わってみるとその甘さやおいしさに改めて気づくことができると思います。

これから旬を迎えるトマト、ぜひ活用してください!